はじめに
本記事は、「ゼロから学ぶ Flask:10ステップでWebアプリを作ろう!」シリーズの第一回となります。本シリーズでは、Pythonの軽量WebフレームワークであるFlaskを使って、実践的なWebアプリ開発を学んでいきます。
記念すべき第1回では、Flaskに触れる前に理解しておくべきWeb開発の基礎を整理しましょう。
「なんとなくHTMLを書いたことはあるけど、HTTPって何?」「サーバとブラウザがどうやってやり取りしているの?」といった疑問を解消し、土台を固めるのが今回の目的です。
Web開発の基本:HTTPプロトコルの仕組み
Webアプリケーションは、クライアント(通常はブラウザ)とサーバがやり取りをすることで成り立ちます。両者のやり取りには「HTTP(Hypertext Transfer Protocol)」というプロトコルが使われます。
📝リクエストとレスポンスの流れ
- ブラウザ(クライアント) がユーザの操作によって「特定のURL」にアクセスしようとする
- ブラウザはサーバに リクエスト(情報を要求するメッセージ)を送る
- サーバ はリクエストの内容を確認し、該当するデータやHTMLなどを レスポンス(応答メッセージ)として返す
- ブラウザは受け取ったレスポンスを解析し、画面に表示する
たとえば、ブラウザのアドレスバーに「https://example.com/
」と入力すると、裏側で以下のようなリクエスト例がサーバへ送信されています。
GET / HTTP/1.1
Host: example.com
User-Agent: Mozilla/5.0 ...
Accept: text/html
...
サーバはこれに対して、例えばHTMLのコードを含むレスポンスを返します。
HTTP/1.1 200 OK
Content-Type: text/html
Content-Length: ...
...
<html> ... </html>
📝ステータスコード
レスポンスには必ず「ステータスコード」が含まれ、処理結果を数値で示します。代表的なコードとしては以下のようなものがあります。
- 200 OK : 正常に処理が行われた
- 404 Not Found : 指定されたページが見つからない
- 500 Internal Server Error : サーバ内部でエラーが発生した
これらのコードを見ると、何が起きているかを素早く把握できます。
📝ヘッダの役割
HTTPメッセージには「ヘッダ」と呼ばれる情報が多数含まれます。たとえばContent-Type: text/html
は「これはHTMLファイルを返しますよ」ということを示し、ブラウザ側はこの指定に従ってHTMLを表示します。その他にも、キャッシュ制御やセキュリティに関するヘッダが存在し、Webの動作を支えています。
HTML/CSS/JavaScriptの基本構造と開発者ツール
Flaskなどのサーバサイドフレームワークは「クライアントからのリクエストを受け取り、レスポンスを返す」役割を担います。一方、ブラウザ上で実際に表示されるのはHTML/CSS/JavaScriptといったフロントエンドの言語です。
📝HTML (HyperText Markup Language)
Webページの「構造」を記述する言語です。
たとえば、以下のような最小構成を覚えておきましょう。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>サンプルページ</title>
</head>
<body>
<h1>こんにちは!</h1>
<p>これはサンプルのHTMLです。</p>
</body>
</html>
ここでは、
<!DOCTYPE html>
: HTML5であることを宣言<head>
: ページのメタ情報やタイトル<body>
: ページの本体(ユーザに見える部分)
などが定義されています。
📝CSS (Cascading Style Sheets)
Webページの「デザイン」を指定します。文字の色やフォント、レイアウトなどを指定し、見た目をカスタマイズする役割です。
body {
background-color: #f0f0f0;
}
h1 {
color: blue;
}
これを<head>
内で読み込んだり、HTMLの各タグにクラスを付与してスタイルを当てたりします。
📝JavaScript
ブラウザ上で実行されるプログラミング言語です。フォームに入力された値をチェックしたり、マウス操作に合わせて画面の要素を動的に変化させたり、よりリッチなWeb体験を実現します。
<script>
alert("ページを開きました!");
</script>
この例のように、ページを開いたタイミングでダイアログを表示するといった処理が書けます。
📝ブラウザの開発者ツールでリクエストを確認
ChromeやFirefoxなどには「開発者ツール」が標準で搭載されています。
- Network(ネットワーク)タブ を開くと、ブラウザがどのようなリクエストをサーバへ送っているかがわかります。
- Console(コンソール)タブ では、JavaScriptのエラーやログを確認できます。
Web開発を行ううえで必須のデバッグツールですので、まだ触ったことがない人は一度使ってみましょう。

📝開発者ツールの起動例
ブラウザ | 起動方法の例 |
---|---|
Google Chrome | F12キーを押す、またはページ上で右クリック → 「検証」 |
Firefox | F12キーを押す、またはメニュー → 「開発ツール」 |
Microsoft Edge | F12キーを押す、または右クリック → 「検証」 |
Safari(macOS) | 事前に「メニューバー > Safari > 環境設定 > 詳細」から“メニューバーに開発メニューを表示”を有効にする。その後、メニューに追加される「開発」→「Webインスペクタを表示」 |
開発者ツールを開いたら、Networkタブを選択してページをリロード(ページの再読み込み)してみましょう。すると、読み込まれたファイルの一覧と、各リクエストのステータスコードや送受信ヘッダの内容が確認できます。どのようなデータがやり取りされているかを見るだけでも、HTTPの仕組みを理解するのに役立ちます。
ポイント:
- どのリクエストがどのURLへ送られているか
- ステータスコードが「200」など成功状態を示しているか
- エラーが発生していればどのリクエストで起きているか
これらを常に確認しながら開発を進めると、不具合や動作不良を素早く発見できます。
ローカル環境でHTMLページを確認してみる
せっかくなので、簡単なHTMLファイルを作成し、ブラウザで表示してみましょう。
以下のステップで確認できます。
- テキストエディタ を開く(VSCode、Atomなど何でもOK)
- 下記の内容をコピーして、新規ファイルに保存(ファイル名は
index.html
とする)
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>学習テストページ</title>
</head>
<body>
<h1>HTTPの学習中</h1>
<p>ローカルでHTMLを表示してみよう。</p>
</body>
</html>
保存した index.html
をブラウザで直接開く(ファイルをドラッグ&ドロップしてもOK)
これで、ブラウザ上に「HTTPの学習中」という文字が表示されたら成功です。
また、ブラウザの 開発者ツール を開き、「Elements(またはInspector)」タブでHTML構造がどうなっているかチェックしてみましょう。
まとめ:今回のゴール
- Webアプリ開発の前提となる基礎知識をしっかり理解する
- ブラウザとサーバの間で交わされるHTTPリクエスト・レスポンス、ステータスコード、ヘッダが大切な要素であることがわかりました。
- HTML/CSS/JavaScriptの役割を再確認し、Webページの表示には「構造・見た目・振る舞い」の3つの柱があると理解できました。
- 「サーバ側 → ブラウザ側」というデータのやり取りをイメージできるようにする
- ブラウザの開発者ツールを使い、実際のリクエストやレスポンスを確認しながら学ぶことで、表面的な表示だけでなく「内部で何が起きているのか」も把握できます。
次回は、実際にFlaskをインストールし、最初の「Hello World」を表示させるための環境構築について解説していきます。今後はPythonコードでサーバサイドの処理を書き、ブラウザ側にHTMLを返す、という一連の流れを体験することになります。
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