ToDoリストの扱いに慣れたら、それを一歩進めて仕事も人生もすべてをストレスフリーに管理してみよう。 それを可能にするのが、デビット・アレン氏によって提唱されたGettingThingsDone(GTD)という仕事術です。
GTDとは
たくさんのタスクがあっても、それを簡単な仕組みに落とし込んでストレスなく管理できる。 GTDの習慣を身に着けることで、思考を明晰な状態に維持して、パフォーマンスを発揮することが可能になる。
GTDの最も大切な考え方
頭を空にしてストレスフリーになる。
- 頭を空にする。
- やるべきことや気になっていることを信頼するシステムへ預ける。
ToDoリストの延長上にあるようなイメージですが、GTDではさら徹底するようです。
- 数枚の紙をとりだし頭の中にある焦る気持ちをすべて書き出す。
- 思いつくことはどんな小さなことでも書く。
- 仕事だけじゃなく、やりたいこと・行きたい所・知りたいこと・忘れていたこと・将来のこと・不安なことなど。
- すべて書き出すことで心が軽くなる。
- 紙の中にあらゆることが格納され安心感が生まれる。
以上のことで、頭が空になりストレスから解放される。
やるべきことをワークフローで処理する
こうして書き出したすべてのことを、図で示したワークフローに従い1つずつ処理する。
はじめに「アクション可能か?」で例えば「ブログを書く」ではアクションできますが、「楽しみにしていたコンサートチケット取れるだろうか心配だ」は心配事なのでアクションがとれない。アクションが取れるものはToDoを管理するフローに、心配事はそれを記録する場所へと分類する。アクションでも1段階で終わるか、それとも次のアクションがあるか、はたまた2分以上かかるかといった具合にふるい分けしていきます。
これが日常的な習慣になるところまで実践できるかどうかですね。
頭を空にするコツ
頭を空にするのはなかなか簡単ではありません。頭を空にするというのは、意識していなかったことを表面に浮かび上がらせる作業でもあります。次の3点に気を付けて実践することをお勧めしています。
- 整理整頓の際に、それを使って「~するつもりだ」という目的を思い出す。そこにタスクが隠れているようなら、GTDのシステムに加える。
- 思いつく範囲で頭を空にすることが終わったら、机の上、引き出しの中、本棚、パソコンのデスクトップに目を走らせて、見逃していた「やるべきこと」を拾う。
- タスクのリストを眺める際に「ここはすべてが書かれていない」という気持ちが生じたときは要注意。いったん手を止めて、その気持ちが生まれている源を探してみる。
大切なことを細大漏らさず書き出してあるという信頼があるからこそ、GTDの仕組みは力を発揮します。GTDそれ自体を実践しない場合でも、こうして頭を空にするメリットは大きいので、ぜひ練習してみてください。
2分でできることはその場でやってしまう
GTDにはもう一つ強力な考え方があります。「仕事は常に”次のアクション”を探し出し、それに集中せよ」というものです。そのため、GTDでは2つ以上のアクションが必要なものは、すべて「プロジェクト」として管理するようになっています。たとえば「ミーティングを開く」という仕事も、詳細内容は「参加者の予定を調整する」「ミーティングルームを予約する」「会議で問題点を洗い出す」など複数のアクションで構成されていますから、
プロジェクト「ミーティングを開く」
- 参加者の予定を調整する。
- ミーティングルームを予約する。
- 会議で問題点をあらいだす。
といったように編集・整理する。
このような管理の仕方は、最初のアクションである「参加者の予定を調整する」ことだけに注目すればいいのです。次のアクションに移るためには初めのアクションが達成されない限りシフトできないのですから。メリットは1つの次のアクションにだけ注目すればいいということです。普段使用しているToDoリストも同様に活用することでメリットが生まれリストが簡潔でスリムになります。
ToDoはコンテキストで管理する
タスクは「いま」「この場所で」できることだけに集中すると、余計なことを考える必要がなくなります。これを実現するGTDの便利な考え方に「コンテキスト」があります。コンテキストとは「文脈」とういう意味ですが、GTDにおいては、場所や状況に応じてリストを分けておくことを意味します。仕事の現場で家庭のタスクリストは実行できません、逆もしかりで家庭のタスクリストは仕事場ではできません。コンテキストの便利さを実感するには、いつものToDoリストを場所ごとに別々のものにしてみること。コンテキストは場所だけとは限らず、仕事の種類ごとに作ったり、役割ごとに作成することも可能です。最近のリマインダーやToDoアプリなら複数のリストを管理できるようになっているので、コンテキストごとにリスト作成してみてはどうでしょうか。
週に一度はタスクを頭の外に追い出す
GTDを維持するために最も大切な習慣として「週次レビュー」があります。
一度頭が空になるまでタスクを書き出しても、毎日新しいタスクや心配事が出来てしまいます。そこで1週間に一度、頭が空の状態になるまですべてを書き出してゆくのが週次レビューです。また、週次レビューにはリストの中にある項目のうち、不要になったものや放置されているものを整理し、タスク管理を新鮮にすることです。
レビューする順序を質問形式でチェックリストにしておくのがいいようです。
- 仕事で気になっていることはないか?
- 他にやりたいことはないか?
- 家庭や個人、人間関係で気になることはないか?
- タスクリストのなかに、消せるものはないか?
- カレンダー、メールのなかに、漏れているタスクはないか?
まとめ
GTDとは自分の外の世界と内なる世界を洗い出す。それはまるで顕在意識と潜在意識をあらわにして自分に向き合うことであるかのように感じました。こうありたいという未来の自分に向けて一歩ずつ踏み出していくようなイメージです。