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驚くほど簡単!内包表記でPythonプログラミングをレベルアップ

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Pythonの内包表記とジェネレータ関数は、リスト、辞書、集合などのデータ型を簡潔に処理するための特別な構文です。内包表記は、イテレーションを行いながら新しいデータ構造を構築するための効果的な方法であり、読みやすさを向上させるだけでなく、コードの簡潔さや可読性を高めることができます。また、ジェネレータ関数を使用することで、イテレータを介して値のストリームを順に返すことができ、パフォーマンスの向上やメモリの効率的な利用、可読性の向上が期待できます。
Pythonの内包表記は、シーケンス(リスト、辞書、集合など)を効率的に作成するための特別な構文です。内包表記を使うことで、短いコードでリストや他のデータ構造を生成することができます。

イテレーションは、要素やデータの集合を一つずつ順番に処理することを指します。言い換えると、イテレーションはデータの集合を走査して、各要素に順番にアクセスすることです。Pythonでは、forループやジェネレーターなどを使用してイテレーションを行います。例えば、リストの各要素に対して処理を行う場合、forループを使用してリストをイテレーションします。

イテラブルオブジェクトは、要素を一つずつ順番に取り出すことができるオブジェクトです。つまり、イテラブルオブジェクトは、複数の要素を含むデータ構造やコレクションのことを指します。例えば、リスト、タプル、辞書、集合などがイテラブルオブジェクトです。イテラブルオブジェクトは、forループやジェネレーターなどを使って順番に要素を処理することができます。

目次

内包表記

基本構文は以下の通りです。

  1. リスト内包表記の場合:
[式 for 要素 in イテラブルオブジェクト]

例えば、0から9までの数字の二乗を要素とするリストを作成する場合:

squared_numbers = [x ** 2 for x in range(10)]
  1. 辞書内包表記の場合:
{キー式: 値式 for 要素 in イテラブルオブジェクト}

例えば、0から4までの数字をキー、その二乗を値とする辞書を作成する場合:

squared_dict = {x: x ** 2 for x in range(5)}
  1. 集合内包表記の場合:
{式 for 要素 in イテラブルオブジェクト}

例えば、0から9までの数字の二乗を要素とする集合を作成する場合:

squared_set = {x ** 2 for x in range(10)}

内包表記の構文は、forループやif条件を含むことができます。これにより、イテラブルオブジェクトから要素を選択したり、条件に基づいてフィルタリングしたりすることが可能です。内包表記を使うことで、コードが簡潔で読みやすくなり、効率的な処理が行えます。

以下に、リスト内包表記を使用してリストの要素を加工しながら新しいリストを構築する例を示します。

# 与えられたリストの各要素を2倍して新しいリストを作成する
original_list = [1, 2, 3, 4, 5]
new_list = [x * 2 for x in original_list]
print(new_list)  # 出力: [2, 4, 6, 8, 10]

# リストの要素をフィルタリングしつつ新しいリストを作成する
even_numbers = [x for x in range(10) if x % 2 == 0]
print(even_numbers)  # 出力: [0, 2, 4, 6, 8]

# 文字列の各文字を大文字にして新しいリストを作成する
word = "hello"
uppercase_letters = [char.upper() for char in word]
print(uppercase_letters)  # 出力: ['H', 'E', 'L', 'L', 'O']

これらの例では、リスト内包表記を使用して、与えられたリストや範囲からイテレーションしながら新しいリストを効果的に構築しています。内包表記は、イテレーションやフィルタリングといった処理を1行で行うことができ、コードの簡潔さと可読性を向上させます。

リスト内包表記を使ってmapやfilterと同等の処理を行う

Pythonでは、他のシーケンスやイテラブルオブジェクトからリストを作成するための簡潔な構文があります。これがリスト内包表記です。例えば、リスト内の各数値の2乗を計算したり、各数値が偶数かどうかを調べる場合に使用します。
以下に、関数とリスト内包表記を比較した例を示します。

map関数とfilter関数について

  • map関数:イテラブルオブジェクトの各要素に対して、指定した関数を適用し、その結果を含む新しいイテレータを返す。
  • filter関数:イテラブルオブジェクトの各要素に対して、指定した条件を満たす要素だけを抽出して新しいイテレータを返す。

まず、map関数を使った場合とリスト内包表記を使った場合を比較します。

# map関数を使った場合
def square(x):
    return x ** 2

numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
squared_numbers = list(map(square, numbers))
print(squared_numbers)  # 出力: [1, 4, 9, 16, 25]

# リスト内包表記を使った場合
numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
squared_numbers = [x ** 2 for x in numbers]
print(squared_numbers)  # 出力: [1, 4, 9, 16, 25]

次に、filter関数を使った場合とリスト内包表記を使った場合を比較します。

# filter関数を使った場合
def is_even(x):
    return x % 2 == 0

numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
even_numbers = list(filter(is_even, numbers))
print(even_numbers)  # 出力: [2, 4]

# リスト内包表記を使った場合
numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
even_numbers = [x for x in numbers if x % 2 == 0]
print(even_numbers)  # 出力: [2, 4]

両方の例で、関数とリスト内包表記を使用して同じ結果が得られることがわかります。リスト内包表記は、同じ処理を行うためのコードをより簡潔に書くことができ、可読性も向上します。
以下は、リスト内包表記とmap関数とfilter関数を使用して、リストの値を2乗して偶数かどうかを判定するPythonプログラムです。

# リスト内包表記を使用する場合
numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
result = [x ** 2 for x in numbers if (x ** 2) % 2 == 0]
print(result)

# map関数とfilter関数を使用する場合
numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
squared_numbers = map(lambda x: x ** 2, numbers)
even_squared_numbers = filter(lambda x: x % 2 == 0, squared_numbers)
print(list(even_squared_numbers))

どちらの方法も、与えられたリストの値を2乗して偶数かどうかを判定していますが、リスト内包表記では一連の操作を1行で実行しています。map関数とfilter関数を使用した場合は、map関数で各数値を2乗し、その結果をfilter関数で偶数のみをフィルタリングしています。

辞書内包表記と集合内包表記

辞書内包表記と集合内包表記は、Pythonの機能の一つであり、リスト内包表記に相当する表現です。これらを使うことで、関連するデータ構造を簡潔に作成できます。
以下に、辞書内包表記と集合内包表記を使用して、関連するデータ構造を作成する例を示します。

まずは辞書内包表記の例です。

# 辞書内包表記を使用して、リストの各要素の2乗をキー、その値を要素自身として持つ辞書を作成する
numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
squared_dict = {x: x ** 2 for x in numbers}
print(squared_dict)

次に、集合内包表記の例です。

# 集合内包表記を使用して、リストの各要素の2乗を要素とする集合を作成する
numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
squared_set = {x ** 2 for x in numbers}
print(squared_set)

これらの例では、辞書内包表記を使用してリストの各要素の2乗をキーとし、その値を要素自身とする辞書を作成し、集合内包表記を使用してリストの各要素の2乗を要素とする集合を作成しています。

ここまでのまとめ

  • リスト内包表記は、lambda式を必要とせず、mapやfilterよりも明確である。
  • リスト内包表記は、入力リストから要素を抜き出すのが容易であり、これは、filterの助けがなければmapでは行えない。
  • 辞書と集合も内包表記を使って作成できる。

Pythonのリスト内包表記を使った行列の平坦化

Pythonでは、リスト内包表記を使って複雑な処理を簡潔に表現することができます。その一つが、行列(リストのリスト)を平坦化することです。行列を平坦化するとは、多次元のリストを1次元のリストに変換することを意味します。この記事では、リスト内包表記を使って行列を平坦化する方法を解説します。

まず、以下のような行列があるとします。

matrix = [[1, 2, 3],
          [4, 5, 6],
          [7, 8, 9]]

この行列を平坦化して、1つのリストにすべての要素を含めるには、2つのforループを使ったリスト内包表記を利用します。

# 行列を平坦化する
flattened_matrix = [element for row in matrix for element in row]
print(flattened_matrix)

このコードでは、最初のforループで行列の各行にアクセスし、次のforループで各行の要素にアクセスしています。これにより、行列の要素が平坦化された1次元のリストが得られます。

上記のコードを実行すると、次のような出力が得られます。

[1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9]

このように、リスト内包表記を使うことで、多重ループを簡潔に表現できます。初心者でも理解しやすいように、内包表記を使った行列の平坦化の方法を解説しました。これを参考にして、Pythonのリスト操作をマスターしましょう。

暗黙のAND条件

内包表記は、複数のif条件もサポートします。
同一のループでの複数条件は、暗黙のand式となります。
例えば、数のリストから、2より大きな奇数だけをフィルターして取り出したいとします。

理解を助けるために、与えられた条件に基づいて、2つの等価なリスト内包表記のプログラムを示します。

まず、数のリストから2より大きな奇数だけをフィルターするという条件を満たすリスト内包表記は次のようになります。

numbers = [1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9]

# 条件を満たす要素をフィルタリングするリスト内包表記
odd_greater_than_2 = [num for num in numbers if num > 2 and num % 2 != 0]
print(odd_greater_than_2)

上記のコードでは、numbersリストの各要素に対して、2より大きいかつ奇数である要素のみを取り出しています。

次に、同じ条件を満たすリスト内包表記を、2つのif条件を使って記述します。

numbers = [1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9]

# 同じ条件を2つのif条件で記述するリスト内包表記
odd_greater_than_2 = [num for num in numbers if num > 2 if num % 2 != 0]
print(odd_greater_than_2)

こちらのコードでも、同じ結果が得られます。num > 2num % 2 != 0は両方とも条件を満たす要素をフィルタリングします。このように、2つのif条件を使って条件を記述することができますが、Pythonではこれが暗黙のand条件として解釈されます。
因みに、条件の上限数は特にありません。複数のifかANDで条件を連結可能ですが、混乱するでしょう。

Python内包表記の革新:代入式の活用法

代入式、Python 3.8で導入された:=(通称「ウォルラス演算子」)を使用すると、内包表記やその他の式の中で値を一時的に代入し、直後の式でその値を再利用することができます。この機能により、同一の計算を繰り返し実行する必要がなくなり、コードの効率性と可読性が向上します。
パフォーマンスの最適化がより明確になるような、計算量のある例を示します。ここでは、各単語の長さとその長さの二乗を計算し、条件に基づいてフィルタリングする場合を考えてみましょう。このようなケースでは、代入式を使用することで計算の重複を避け、パフォーマンスの最適化を図ることができます。

代入式を使用しない場合

words = ['apple', 'banana', 'cherry', 'date']
# 各要素の長さの二乗を計算し、その値が25より大きい要素だけをフィルタリングする
# 長さの二乗の計算が重複している
filtered_words = [(word, len(word)**2) for word in words if len(word)**2 > 25]
print(filtered_words)  # 出力: [('banana', 36), ('cherry', 36)]

この例では、len(word)**2の計算がリスト内包表記内で二度実行されています。

代入式を使用する場合

words = ['apple', 'banana', 'cherry', 'date']
# 長さの二乗を一時変数に代入し、その値を条件判定と出力に再利用
# 重複する計算を排除
filtered_words = [(word, squared_length) for word in words if (squared_length := len(word)**2) > 25]
print(filtered_words)  # 出力: [('banana', 36), ('cherry', 36)]

このコードでは、squared_length := len(word)**2によって各単語の長さの二乗がsquared_lengthに代入され、その後の条件判定とタプルの生成で再利用されています。これにより、同じ計算を繰り返す必要がなくなり、コードの効率性が向上しています。

このように:=(通称「ウォルラス演算子」)を利用することで、計算コストの高い操作を一度だけに限定し、その結果を複数の場所で再利用することが可能になります。特に計算量が大きい場合や、計算結果を複数回使用するケースでは、このアプローチによりパフォーマンスの向上が期待できます。

ポイントまとめ

内包表記の利点をまとめた表は以下の通りです。

ポイント説明
短くて読みやすいコード内包表記を使用すると、複雑な処理を1行で表現でき、結果としてコードが短く、読みやすくなります。
効率的な処理複数のループや条件を1つの式で処理できるため、内包表記を使用することでコードの実行速度が向上します。
シンプルな構文内包表記の構文は非常にシンプルで直感的であり、リスト、辞書、集合などさまざまなデータ構造を効率的に操作できる点が特徴です。

内包表記はPythonの強力な機能の一つであり、コードの可読性と効率性を向上させることができます。
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